上原 伸一 店長（ベジタブルキッチン菜)のインタビュー

地元で『ベジタブルキッチン菜』をオープン

　出発はバーテンダーでした。大桟橋にあるレストランでバーテンダーとして働いていたんですね。そこで飲食業の楽しさを見出し、「自分のお店を出したい」という夢を持つことになりました。そのためには、やはり「料理が必要」と考え、たどり着いたのがフランスでした。当時、フランスのワーキングホリデーの募集が出ており、ワインも好きでしたから勉強がてら行ってみようと思ったわけです。それが現地に行くと食べるもの、食べるものが美味しくて、それであちらで働き出したんですね。言葉も大して出来ない、料理もやったことがない。今考えたら、よく雇ってくれたものです（笑）。

　帰国後は横浜のフレンチレストランに勤務し、35歳の時に『ベジタブルキッチン菜』をオープンしました。ここは、私の地元でもあります。開業の場所は色々と考えましたけども、やはり地元に勝る場所は考えられなかったというところでしょうか。

和食あり、洋食あり。デリバリーで気軽にご馳走を

　営業は11時から14時まで。店内では主にご近所にお住いの方に向けてランチやお惣菜のテイクアウトを提供していて、現在ではデリバリーがメインになっています。ご家族で召し上がったり、お友達が来てるからデリバリーを、といったご利用が多いですね。メニューは洋食を中心に和食的なものもあります。サンドイッチがあったり、アヒージョがあったり、キッシュがあったり、幅広いものになっています。オープン当初は特にご家族でいらっしゃる方が多かったのです。いろんな方のご要望をうかがっていると、いつの間にかちょっとしたファミリーレストランのような形になりまして。ですから、和食もあり、洋食もあり、という感じなんですね。

一番人気はチキン南蛮弁当。デザートもデリバリーで

　デリバリーの一番人気はチキン南蛮弁当です。それに天使の海老フライを使ったガチ揚げ弁当、そして六菜弁当と続きます。六菜弁当は、ご年配の方に向けて考案したものです。お年を召してくると、そんなに量は必要とされないんですよね。量ではなく、様々なものを召し上がりたいというニーズに応える形で、野菜を中心としたお惣菜が6種類入ったお弁当になります。天使の海老フライは、ニューカレドニアで養殖されている近年人気の海老です。これをカダイフでクルクルっと巻いて揚げたものになります。カダイフは、「天使の髪」とも言われ、中東や地中海地域で主に食されているもので、フランスでは“衣”として使われていました。サクサクとした独特の食感があり、今はもうあちこちで使われていますね。それから、デザートもデリバリーできます。プリンとバスクチーズケーキの2種類で、もちろんこちらも手作りです。

安全で美味しいものを召し上がってもらいたい

　お野菜は栄区の矢島農園さんとJAさんでオープン当初から仕入れています。地元のものを使いたいという気持ちももちろんありますが、何と言っても美味しいですからね。旬のものを主にサラダに使用しています。こだわりがあるとすれば、極力、添加物を使わないことでしょうか。最近の外食は、総じて味が濃いと言いますか、中身を見ていくと、添加物が多く使われている気がします。大手さんでは長期保存のためだったり、大量に作るために必要なものだと思いますが、うちくらいの規模の商いではそもそも必要がないものですから。大変なところはありますけども、やっぱり安全で美味しいものを食べていただきたいですから。

地域のみなさんへメッセージ

　とにかく料理をすることが好きで、だからこ続けていけてるんでしょうね。ここの商店街も昔とは様変わりしましたが、時代のニーズに合わせながら、少しでも地域の人にとって必要なお店であり続けたいと思っています。ご要望がありましたらお気軽におっしゃってください。できる限りご希望に応え、そしてご満足いただける味をお届けいたします。