和田 雄輔 院長(和田歯科医院)のインタビュー

和田歯科医院 和田 雄輔 院長

和田歯科医院 和田 雄輔 院長 YUSUKE WADA

2007年鶴見大学歯学部卒業。卒業後は同大学の研修医となる。2008年鶴見大学小児歯科学教室勤務。2010年医療法人樹英会 ラゾーナ川崎デンタルクリニック勤務。2020年4月「和田歯科医院」開業、院長就任。(JR根岸線 本郷台駅より徒歩7分)

子どもの泣き声で、小児歯科の道へ

歯科医師になったきっかけは、父が開業する内科医院から子どもの泣き声を聞いたことでした。幼い頃からよく聞いていたので、「どうして泣くのかなあ」と気になり、父に尋ねると、子どもの発達や心理、成長など医学的な面から話をしてくれました。それが面白く、より子どもに興味を持つようになりましたね。次第に、子どもに携わる仕事に就こうと、一時は教師も目指していましたが、泣いている子どもにどう診察や治療をすればいいか、工夫する父の姿を見ていたので、とても悩みましたが、医療の道を目指すことにしました。ただ父と同じ畑には抵抗がありました。そこで、小児歯科を専門とする歯科医師を目指し、この道を歩んでいます。歯科医師免許を取得したあとは、勤務医として研鑽を積み、2020年にここ「和田歯科医院」を開業いたしました。地域医療に貢献するなら、なるべく医院同士近い方が患者さんにとってもよいだろうと思い、父の「和田医院」のある建物の1階に開業しました。内科に行ったついでに、歯も治そう、と地域の方に思っていただけたら幸いです。それに、当院では地域の高齢者の方も多くいらっしゃいます。服用している薬や、血圧や血糖値の数値によっては、出来ない歯科治療もあります。その点も含め父に相談がしやすいのも、ここで開業した理由です。

年齢によって、怖さは違う

子どもが治療を怖がっているからといって、「怖くないよ」「痛くないよ」と、ただあやすような通り一遍な対応はしていません。ひと口に子どもと言っても、年齢によって怖い理由は違います。例えば、低年齢の2歳3歳の子は、音や光、振動を怖く感じやすい。一方、4歳5歳になると想像することで怖くなる。お化け屋敷を怖がるのもだいたい4歳以降になります。お化けがいるかも、と想像するからなんですね。年齢によって怖い理由は変わりますが、個人差もあります。ですので、本人と話をしたり、目線がどこにいっているのかよく見てあげますね。「何されるか分からないから怖い」という子どもには、器具や機械などを実際に見たりさわらせたりして、少しずつ治療へのハードルを下げていく。系統的脱感作法といって、少しずつ慣れていくことで、不安を減らしていくよう心がけています。小児歯科の対象は、永久歯が生え揃うまでなので、高校生前後ぐらいでしょうか。長く通う場所なので、やはり歯科医院には抵抗のないようにしたいという思いですね。

ほっと一息つける、くつろげる空間

堅苦しいのが苦手なので、歯医者さん独特の匂いやシャープな感じは出さないようにしようと決めました。院内のインテリアは、基本は角がなく和風タイプにしています。玄関前には、夏ならカブトムシやサワガニが入ったケースを置き、待合室には、子どもが遊べるキッズコーナーを作りました。キッズコーナーは妻の趣味ですね。子どもと絵本が大好きなので。小さな子どもを連れた親御さんが来ても、お子さんはキッズコーナーで遊んで、親御さんはソファでくつろげるようになっています。待合室で患者さんが呼ばれるまでの間って、どうしても緊張される方が多いかと思います。ですので、肩の力が抜けるような場所にしたかったんです。診療室では絵も飾っているので、和んでいただけたら嬉しいです。子どもが楽しめるような企画を考えるのは大好きですね。以前は、当院の駐車スペースに小さなプールを置いて、スーパーボールすくいをやったりしました。今は、受付におもちゃコーナーを置いたり、おもちゃの恐竜の爪をスタッフと協力して作り、治療を頑張ったお子さんにあげています。歯科医院への抵抗を少なくすることは、生涯子どもたちの歯の健康を守ることにも繋がります。そうなるように、色々な工夫をしています。

正しい歯磨きは、一人ひとり違う

患者さんのなかには、「歯を磨いてきました」とおっしゃってても、あまり磨けていない方もいらっしゃいます。歯磨きは、みんなのテーマだと思いますね。何歳になったらきちんと出来る、というものでもないですから。歯磨きって、大体時間がない時か疲れている時にすることなんですよね。朝、昼、晩、寝る前の短い時間に「これぐらいでいいや」ってなってしまうのも無理はありません。ですが、少し意識を変えるだけでも歯は綺麗になっていきます。意識を変えるためには歯科医院に定期的に来て、歯磨きのモチベーションを上げたり保ったりするのは大事かと思いますね。また、正しい歯磨きを専門家に聞くのもおすすめです。CMで、色々な歯磨きの製品を目にすると思いますが、それらが本当に自分の歯に合うか、一度当院でも、別の歯科医院さんでもいいので、ご相談してみるとよいかと思います。歯磨きの仕方も、「ここの歯の部分はこういうブラシの当て方を」と細かく教えてくれると思います。口の中は一人ひとり違うので、歯磨きや使う道具を専門家に教えてもらうことは、とても大事です。これはよく患者さんに話すのですが、歯磨きはごみ掃除と同じなんです。ごみをどかさない限り、いくらその場所に消毒剤を撒いても、綺麗にはならない。ごみをどかすことが、歯磨きなんです。ですので、正しい歯磨きが歯の健康の基本なんですね。

将来は往診も。地域医療に貢献したい

当院の患者さんは、地域の高齢者の方も多くいらっしゃいます。高齢者は入れ歯の調整と歯周病のケアがメインですね。高齢になると、自分で手を動かせなくなる方が増えていきます。もちろん、しっかりされている方も多いのですが、入れ歯があると、歯磨きはより難しいですね。しかも、入れ歯のケアもとても難しいものです。ですので、我々でその手助けをしたいと思っています。ただ、私が心配しているのは、歯科医院に通えない高齢者の方々です。父ともよくその話をするのですが、医院に来れない人にどう医療を届けるか、というのは大事な課題です。父は往診を行なっていますが、私は開業間もないので、まだ行っていません。しかし、将来は往診も始めたいと考えています。地域医療に貢献するなら、往診は欠かせない、というのが私と父の思いですね。

 

※上記記事は2023年7月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

和田歯科医院 和田 雄輔 院長

和田歯科医院和田 雄輔 院長 YUSUKE WADA

和田歯科医院 和田 雄輔 院長 YUSUKE WADA

  • 出身地: 神奈川県横浜市栄区
  • 趣味・特技: 家庭菜園、ペットを飼うこと、DIY、アウトドアスポーツ全般
  • 好きな本: 動物の飼い方やDIYなど趣味の雑誌
  • 好きな映画: 動物系の映画。『ハチ公物語』
  • 好きな言葉: 自分が源泉
  • 好きな音楽: アップテンポの元気が出る音楽
  • 好きな場所: 自然が多いところ

INFORMATION