河野歯科医院 河野 維知子 院長 ICHIKO KONO
1981年神奈川歯科大学卒業後、同大学にて研修医となる。その後洋光台の歯科医院にて勤務し、1984年に『河野歯科医院』を夫・河野正直と開業。
1981年神奈川歯科大学卒業後、同大学にて研修医となる。その後洋光台の歯科医院にて勤務し、1984年に『河野歯科医院』を夫・河野正直と開業。
父はフランス文学を研究する大学教授、母は歯科医でした。幼い頃から「あなたはどっちの道へ進むの?」とよく聞かれていましたね。大きくなって進路に迷い始めた頃、母の「歯科医になれば、男性に頼らずに生きていけるわよ」という言葉に背中を押された気がします。一生働くことは当たり前だと思っていたので資格のある仕事は魅力的でした。神奈川歯科大学へ進学し、そこで夫となる河野 正直(まさなお)と出会いました。卒業した頃にちょうど神奈川歯科大学で、総合治療室という新しい講師クラスの先生の講義を受けながら総合的に治療もする制度が始まり、研修医として働きながら歯科の講義も受けていました。研修先では12名の歯科医と10台のユニットで多くの患者さんを担当し、根管治療にも取り組みました。2年の研修医を終えたあとは、1年ほど洋光台にある歯科医院にて勤め、1984年に「河野歯科医院」を夫婦で開業しました。開業後は忙しいので落ち着くまで働いたら、母が開業する金沢文庫の歯科医院を手伝うつもりでした。しかし順調に患者さんが増えどんどん忙しくなったので、夫と共にずっと「河野歯科医院」で働いています。
当院の大きな特徴は患者さんの口に触れるのは歯科医だけ、という点です。現在、スタッフは私と夫の歯科医2名と助手が1名のみ。歯科衛生士もいないので、スケーリングから口腔外バキュームを持つことまで全て歯科医一人で行なっています(笑)。なぜそうしているかというと、その方が患者さんとのコミュニケーションが取れるからなんですね。患者さんと距離が近いと関係が良好になり、その結果治療がうまくいくケースが多いのです。治療は歯科医と患者さんがお互い協力しあって成立するもの。そのため、人任せにしないと決めています。それに、患者さんにとっても自分の口を色んな人に触れられるのはあまり良い気分ではないですよね。人任せにしない分、もし何かあっても責任も歯科医が取れますので、このやり方の方が私たちにとって良いと思っています。たまに、スタッフが休みの場合は受付も私がやっていますよ(笑)
治療で心がけていることは、患者さんのトータルの健康を守ること。歯科医として出来ることは、なるべく歯を抜かないよう治療をすることです。何十年と歯科医をやってきましたので、患者さんの歯の状態を見れば、「こうなって、こうなる」という予測がある程度つきます。そこで一見抜いた方が良さそうな時でも、結果的に抜かなくてよかったというケースがたくさんありました。ですので、簡単に抜くことはしません。悪い歯を残しておくと体に悪い、と言われることもあるかもしれませんが、そこをブラッシングなどで改善してあげるなど抜く前に出来る治療は最後までやってみる、というのが当院のモットーです。そのことを患者さんに理解していただいています。ごくたまに、歯を残そうと頑張ったけど抜くしかなかったということもありますが、患者さんとコミュニケーションを取りながら患者さんと協力し合って、歯を残せるよう頑張っています。
開業当初は子どもの虫歯治療が多かったのですが、最近は高齢の患者さんが多くなったので、歯周病対策に力を入れています。高齢になると、歯周病にかかりやすくなりますので、歯周病を気にされる方も増えてきました。主な治療は、歯周病のメンテナンスやブラッシング指導です。なるべく外科的な手術はせずに現状維持、もしくは少し良くなるということを目標にしています。また、患者さんの中には「その薬は不必要では?」という薬をたくさん飲んでいらっしゃる方もいます。普段から東洋医学も勉強していますので、不必要な薬をやめることで歯周病が良くなるケースも見受けられます。もちろん、個人差はありますが患者さんが飲んでいる薬に疑問を感じた時は、お話をさせていただくこともあります。もちろん、やめるやめないはご本人の自由です。
歯科の治療は怖いという印象があると思いますが、案ずるより産むが易しで、あまり怖がらず少しでもおかしいなと思ったら歯科医院に行かれると良いと思います。時間が経てば経つほど、行きづらくなりますので、早めに受診いただく方が良いでしょう。当院では、歯の根管治療も行なっております。通院の回数は増えますが、自分の歯を長く持たせたい方、徹底的に治したい方がいらっしゃいましたら、ご相談いただけたらと思います。
※上記記事は2023年10月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
※新規登録またはログインすることにより、栄区.jpの利用規約、およびプライバシーポリシーに同意したことになります。