田中 隆佳 院長（田中整形外科医院)のインタビュー

整形外科医の父のあとを継いで

　もともと父が整形外科の医師だったんです。当院の近くにある横浜栄共済病院は当時、金沢大学の関連病院だったので父が金沢から派遣され、そのまま横浜に残って当院を開院しました。小さいころ、父の患者さんから黒いバナナをもらったことがあったんです。腐っているんじゃないかと思ってむいてみたら真っ白で、すごくおいしかったんですけど、その患者さんに「お父さんみたいなお医者さんになれたらいいね」と言われたんですよね。自分が医師を目指したのは、多分それが最初のきっかけだったと思います。バナナとあわせて強烈に残っている記憶です。父が当院を開業したのは、自分が中学１年生のときでしたが、その後、自分が博士号も専門医もとり終わったくらいの時期に、父が２度目の胃がんを発症。診療が難しくなり、自分があとを継ぐことになりました。

質の高い医療を提供

　整形外科領域の診療を幅広く行っていますので、高齢者から学生さんまで。さまざまな年齢層の方にいらしていただいています。出身大学の病院が乳児の股関節検診をやっていたところだったこともあり、３歳児検診で股関節が気になると言われたという方がいらっしゃることもありますね。父が開業した当時は有床診療所でしたので、その名残ではないですが手術室があるのが特徴の一つです。骨折でしたら、レントゲンから手術、ギプスを固定するところまで当院で一貫して対応が可能です。病院レベルの診療ができるよう機器も揃えていますので、クリニックとはいえ質の高い医療を提供できていると自負しています。患者さんには痛みの原因を特定し、何がどうしてこうなってしまったのか。そのうえで、どういう治療をしてどのくらいで治るのか、ということをしっかりと伝えるように心がけています。患者さんが一番聞きたいのは、いつ治るのか、というところなんですよね。

痛みを感じたらまずは来院を！

　整形外科領域はもちろん、この痛みはどの科にいけばいいんだろう、というときには一度相談にいらしてください。診察の結果、整形外科領域でなかった場合もどの科に行くべきか、きちんとお伝えしています。もしかしたら心臓かもしれない、といったように原因を見極めて振り分けることは開業医の一つの使命だと思っていますから。背中の痛みで運ばれてきた患者さんが実は大動脈瘤乖離で、そのまま救急車で別の病院にお願いしたこともありました。迷ったらとにかく来る。それが一番だと思います。来ていただけたらちゃんと答えを出して、整形外科領域でしたら治療に入れますし、そうでなかったら他の科へとアドバイスができますから。

姿勢や体の使い方などからも痛みを解消

　当院は他の整形外科クリニックに比べると理学療法士の先生が少ないので、今後はもう少し人数を増やして、リハビリにも力を入れていきたいと思っています。僕の考えとしては、生きている間はやっぱり自分の足で動いてもらいたい。痛みがないのが一番ですから。痛みを無くすにはどうしたらいいのか。痛みを仕方ないと諦めている方もいますが、原因を突き止めて、それが解消できるようなお手伝いをしていければと思っています。姿勢だったり、体の使い方だったりで痛みが解消することもありますので、当院ではパワープレートという高速振動により筋肉を刺激・活性化し、運動効果を最大限に高めることができるマシンを導入しています。プロ野球球団などにも採用されているマシンですが、立っているだけで筋力が鍛えられるんですね。そういった体幹を鍛えるマシンなどを使いつつ、出来るところから始め、痛みを根本から治していきたいと思っています。この部分は、理学療法士の先生方にもサポートしていただきながら、進めていきたいですね。

デジタル化で予約なしでもスムーズに

　栄区の方々には父の代から長年、当院を頼りにしてくださって感謝しかないですね。恩返しではないですが、困ったことがあったらいつでも来ていただけたらと思います。当院は予約なしで来院いただけるのも特徴です。医師も２人体制ですし、レントゲンをその場でデータ化するシステムや電子カルテなど、デジタル化を進めていることもあり、予約なしでも待ち時間を少なく、スムーズに診療できるように整えています。当院で治療が難しい場合は横浜栄共済病院などとも連携していますので、安心してご相談ください。

※上記記事は2023年9月に取材したものです。
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