齋藤 登 院長(斎藤歯科医院)のインタビュー

斎藤歯科医院 齋藤 登 院長

斎藤歯科医院 齋藤 登 院長 NOBORU SAITO

1980年東北歯科大学歯学部卒業し、1982年 に『斎藤歯科医院』を開業。日本大学大学院歯学専攻 歯学博士取得。

父の影響で新しい技術や知識を積極的に学ぶ

 父と兄が歯科医だったので、自然と私も歯科医の道へ進みました。父の診察風景は今でもよく覚えています。いつも優しく、患者さんからとても感謝されていた父でした。だから長く通われていた方が多かったですね。そういう父を子どもの頃から尊敬していました。東京の歯科医院ということもあって、父はいつも新しい知識や技術に積極的でした。私には「専門分野以外の治療ができない歯科医にはなるな。幅広い治療ができること。でも一つは秀でたものを持つように」とよく言っていました。その言葉を胸に私は大学院で歯学を専攻しながらも、患者さんのあらゆる歯の悩みに応えられるよう幅広い治療をモットーにしてきました。今でもその姿勢は変わりません。常に知識や技術を向上させているのは、今でも父を目標にしているからだと思います。

口腔機能の衰え、オーラルフレイルを防ぐための指導

 最近力を入れていることは摂食嚥下障害への指導です。つまり飲んだり食べたりすることが難しい、食事のたびに咳き込むといった症状を改善することです。症状の原因は口腔機能の衰え(オーラルフレイル)です。口呼吸になりやすいため、食べ物と一緒に空気が肺に入り咳き込みの症状が出てきてしまいます。誤嚥性肺炎を引き起こす原因にもなります。口腔機能の衰えは、だいたい65歳ぐらいから始まり本人も気づかないまま症状が進行していきます。症状が出ていても「もう年だから」という言葉で片付けてしまう方が多いのですね。ですから私からアドバイスをして、口腔機能訓練器具を使ったトレーニングをトライされることをおすすめしています。これまでオーラルフレイルを鍛える器具というと、口輪筋を鍛えるものが主流だったのですが当院では元日本歯科大学高齢者歯科学教授・稲葉繁先生とIPSG会長・飯塚能成先生が発案した『エントレ』を行なっています。エントレは口輪筋だけでなく舌の筋肉なども鍛え鼻呼吸を促します。通常口が閉じている間、舌は口の中の上についていますが筋肉が衰えると舌は奥に落ち込んでしまいます。正しい指導のもと、器具を使ったトレーニングを重ねることで、食事のたびに数回咳き込んでいたことが1回に減ったり誤嚥も徐々に改善していきます。もし気になる症状があれば、ぜひご相談にいらしていただきたいと思います。

子どもの不正咬合の予防

 当院では子どもの不正咬合(ふせいこうごう)の予防も行なっています。不正咬合とは、歯並びと上下の歯の噛み合わせが異常であることを意味します。これは顎が小さいことが原因のひとつです。先ほど申したのは高齢者のオーラルフレイルでしたが、それは子どもにも言えることなんですね。通常赤ちゃんは母乳を吸うことで口腔機能を鍛えています。乳児が母乳を吸うことで、口腔機能と摂食嚥下の訓練をしています。しかし、哺乳瓶で育った乳児は吸う力が弱く母乳で育ったお子さんと比べると筋肉が足りないことがあるため、結果的に顎が小さくなってしまうのです。また、おしゃぶりも影響します。当院では、口腔機能の発達不全に対して乳児に適したおしゃぶりの使用方法やMFT(口腔筋機能療法)を行なっています。また、そういったお子さんの矯正治療の導入として『プルオルソX』を用意しています。口の筋肉を鍛えて、舌を正しい位置にし徐々に顎の成長を促します。メンテナンスに来るお子さまに必要があればおすすめすることもあります。

手術も併用した矯正もできる

 当院は日本矯正歯科学会認定医がいるので、疾患の方の保険適用の矯正治療、顎変形症や先天性の口蓋裂にも対応しています。骨格がずれている方は矯正だけで歯並びを直すことは難しいケースもあるため、手術を併用し歯並びを改善します。大きな病院と提携しているので、先生が手術室に立ち会い、骨の位置を決めることをしています。矯正専門であっても手術の選択肢がある歯科医院は少ないかもしれません。

口腔機能の改善は全身の症状の改善に繋がる

 口腔機能が改善すると唾液の量が増え、ばい菌と戦う力が向上し歯周病の改善や予防にもなります。また全身の症状の改善にも繋がり、不要な手術などが減ると考えています。歯ぎしりや食いしばりなどもオーラルフレイルが関係しているケースもあります。ぜひ、何か思い当たることがありましたら当院にご相談でもいらしていただきたいです。

 

※上記記事は2023年9月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

斎藤歯科医院 齋藤 登 院長

斎藤歯科医院齋藤 登 院長 NOBORU SAITO

斎藤歯科医院 齋藤 登 院長 NOBORU SAITO

  • 出身地: 東京都
  • 趣味: 釣り
  • 好きな本: 五木寛之
  • 好きな映画: ジュリア・ロバーツの映画
  • 好きな言葉: 継続は力なり
  • 好きな場所: 海

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