ヒルサイドクリニック 山脇 優 院長 MASARU YAMAWAKI
金沢大学医学部を卒業後、同大第一外科に入局し、消化器外科を専門に研鑽を積む。福井県立病院、横浜栄共済病院などで経験を重ね、2007年に『ヒルサイドクリニック』を開業 (JR根岸線「本郷台駅」より徒歩8分)。消化器専門医、消化器内視鏡専門医・指導医、外科専門医。
金沢大学医学部を卒業後、同大第一外科に入局し、消化器外科を専門に研鑽を積む。福井県立病院、横浜栄共済病院などで経験を重ね、2007年に『ヒルサイドクリニック』を開業 (JR根岸線「本郷台駅」より徒歩8分)。消化器専門医、消化器内視鏡専門医・指導医、外科専門医。
当初、大学の理工学部に進学していました。興味があって選んだわけですけれども、少し先のことを考えますと、この分野の仕事は何十年と取り組んで結果が出るかどうか、というものですよね。素晴らしく、そして尊い仕事なのですけれども、比較すると医療の仕事は、結果が早く出ます。自分の性格的にそちらのほうが向いていると考えたのです。大学卒業後は母校の第一外科に入局し以降、消化器外科医として研鑽を積みました。当時のことですから、消化器を選んだのは上の先生から言われたからですけれども(苦笑)、正解だったと思いますね。消化器は、手術が終わってからも患者さんと長い接点を持てる科です。結果が出た上で、そこからも長く寄り添っていけるのは、これも自分に合っていると思っています。
2007年に『ヒルサイドクリニック』は開院しました。おなかの悩みに加えて、肛門疾患や便秘など、消化器系の患者さんが多いことは確かですが、高血圧や糖尿病の患者さんも来院されています。開業した医者は、それでいいと私は思っているのです。地域のかかりつけ医として、何でも診て、寄り添っていく。それが第一の使命と考えています。
患者さんは希望を持って来院されると思うんですね。「出来ればこうして欲しい」という。それをまったく考慮もせず、突っぱねたりしてしまうと患者さんは失望してしまうと思うのです。もちろん難しいことはあります。例えば、「お薬は飲みたくない」といったように。そもそも当院では、初めからお薬ありきの診療はおこなっていません。血圧が少し高いからといってすぐにお薬を勧めるのではなく、まずは運動や食べ物で改善を図っていくというスタイルです。血圧のお薬もコレステロールのお薬も根本的な治療薬でありませんから、生活習慣を変えれば、たとえお薬を飲まなければならない状態であっても少なくて済むという面もあると思うんですね。出来る範囲で患者さんの気持ちを汲み、治療に意欲的に取り組めるようにしてあげたいですね。
胃と大腸の内視鏡検査をおこなっています。検査中はなるべく苦痛がないようにおこなうと共に、病変を見逃すことがないよう気をつけています。胃については、この4、5年の傾向で言いますと、ピロリ菌を除菌した人がすごく増えた気がします。その影響があるのか、癌のタイプが以前とはまったく違ってきている印象を持っています。以前のような典型的な「カタチ」ではないものですから、検査時のカメラの光線を変えるといったことをしないと診断が難しくなっています。それから、もともとはご高齢の方に多い疾患ですが、最近は目立って若い人に多いものとして、逆流性食道炎があります。これについては、原因は食べ物でしょう。脂っこいものや甘いものがこの疾患を誘発します。一昔前であれば、甘いものと言っても、あんこくらいでしたが、最近はそれこそ毎日のように甘いものを召し上がる方が増え、その甘みもかなり強いものをとられますよね。脂っこいものや甘いものは胃酸の分泌を亢進しますので、それも大きな一因と考えています。
痔に代表される肛門疾患や便秘については、相談できるところが少ないということもあってか、大変多くの方が悩み、来院されています。痔については、ジオン注射による痔核硬化療法というものがありますが、手術に比べれば再発の可能性が高く、程度がひどい場合や外痔核の場合には、やはり手術が最も効果のある治療ということになってきます。市販薬もありますが、ほとんどのお薬は症状を抑えるのが目的で、根本的な治療ではありませんからね。
便秘は大きく分けると、腸の動きが悪い、もしくは肛門の機能が衰えているかということになります。ご高齢の方は後者のほうが多いですね。そのどちらが原因かによって使用するお薬は違ってきますから、見極めが肝心です。便秘を改善するには、食物繊維が多く含まれる食品を摂ることが大切です。ただ、食物繊維であればなんでもいいというわけではありませんので、その辺りは細かくアドバイスをしています。
運動であったり、食べ物に気を使い、自ら予防を心がけていただければと思います。病気にならないに越したことはありませんからね。加えて検査を受けることも大切です。早い時期に見つけ、早い段階で対処することで、大ごとにならなくて済むケースも少なくありません。自分に出来ることを実行し、その上で賢く医療機関を利用していただければと思います。
※上記記事は2024年1月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
※新規登録またはログインすることにより、栄区.jpの利用規約、およびプライバシーポリシーに同意したことになります。